オタ部屋シェアリングのススメ


──生き永らえるほどに増殖していくコレクションとどう向き合うか。

虚数空間か固有結界か四次元ポケットの持ち主でもない限り、オタクにとって避けては通れない道ですが、そのソリューションの手段として「オタ部屋シェアリング」を提唱してみたいと思います。
というのも、半年ほど前から、友人ととあるアパートの一室を借りて書庫+物置+諸々、つまり住居以外の目的でルームシェアリングしてるんですが、これが「オタクの隠れ家」として滅法快適。なので、久々にエントリを起こしてみた次第であります。

あなたのオタライフで、こんな危機が起きていませんか?

「オタ部屋シェアリング」は、以下のような悩みを抱えている人におすすめです。

  • そろそろ自宅or自分の部屋にオタグッズが収納しきれなくなってきた

 (ブックドラフト頻発で死の危険性がある)

  • 押入のエロ同人誌(orエロゲ、エロDVD)が隠しきれなくなってきた
  • 小さかった甥や姪が成長して、勝手に部屋をあさるように

 (そのためレアモノが破壊されたり、教育上ふさわしくない書籍・ソフトに触れる危険性がある)

  • 結婚予定だが、マンガの蔵書、オタグッズに愛着がある
  • 一人暮らしだが、彼女を部屋に入れたい。けど、脱オタはしたくない

自分たちの場合、後ろ2つの理由に該当するのは一人として存在しませんが、きっとそんな人もいるのでありましょうな(遠い目)。


用意するもの

定期収入があり、信頼できるオタ系の友人数名

数年以上の付き合いのある、気心のしれた友人であれば問題ないでしょう。信頼できるというのは、例えば他人のレアものを勝手に換金しにいったりしない(買い込んだおやつやカップ麺が食われるぐらいは許容範囲)、人のコレクションに寛容である(フィギュアや鉄道模型をキモイ、捨てろとか言わない)、それなりに金銭感覚がある(年越した借金は時効になるとか思っていない)ぐらいの意味です。

人数×1万円程度の家賃の部屋

そもそもは「トランクルームは高いし不便」→「だったら俺たちで部屋をシェアすればよくね?」というのが出発点だったりします。実際、床面積で換算するとアパートの方が得だったり、交通の便が悪かったりすることが多いのです。
パラサイトで可処分所得の高いオタクにとっては、維持費1万円はそれほど大きな出費ではないはずです。
(首都圏だともう少し高くつくかもしれません)

アジト(部屋)選びのチェックポイント

立地は全員の中間地点かつ交通の便のよい(or近くにコインパーキングがある)場所がよいでしょう。荷物の搬入・搬出のしやすいマンションやアパートであれば充分です。誰を賃借人とするか代表を決めて、 契約前に居住目的でない旨の説明をしておいた方がいいでしょう。
ランクルームとして設計されたものは居住性は無いに等しいですが、最近は築ン十年の古いアパートをペンキで塗りたくって、「レンタルルーム」としてリボーンさせてる物件もあるそうなのでお好みで。
間取りに関しては、おそらく壁一面にずらずらと本棚を並べることになるので、梁や柱の少ない部屋がベターでしょう。後は家賃と条件で物件を絞り込んでください。
あと関東・関西在住のオタとして見逃せないのが聖地(東京ならアキバ、大阪なら日本橋)への近さ。ほど近い距離であれば、聖地巡礼でグッズを大量購入⇒その帰りにオタ部屋に搬入⇒手ぶらで帰宅というコンボも可能です。

オタ部屋シェアリングで変わる、充実のオタライフ!

オタ図書館&オレ漫画喫茶 〜コレクションの整理・シェアリング

各自のコレクションが一つに集まることで、イチから揃えるのが大変なマンガや、買うまでには食指が進まなかった書籍もこれで読み放題。今後の担当分野と方針を決めればダブリもなく蔵書の充実が図れるでしょう。これぞオタク2.0(嘘)。
テーブルとドリンクさえ用意すれば、月額固定の「オレ漫画喫茶」として運用可能です。
あと保存状態が各自似たり寄ったりであれば、いっそ重複分をブックオフなどに売っぱらって、今後の活動資金としてプールする手もあります。

すべてのゲームはここに集まる 〜ゲーム・DVDのシェアリング

ゲーオタの諸君は、本棚やラックで壁面が埋まる前に、TVモニターのスペースぐらいは確保しておきましょう。どうせなら、家の押入れで埃を被ってるゲーム機たちにも、再び光を当ててやりませんか?
ファミコンスーファミN64メガドラ、サターン、ドリキャスPCエンジン…。メタルラックに往年のゲーム機が並んだ様はなかなかの壮観。wiiの「バーチャルコンソール」ならぬ「リアルコンソール」の完成です。(バッテリーバックアップのRPGは全滅でしたが……)
バルーンファイトボンバーマンなど、懐ゲーの対戦も大いに盛り上がることでしょう。

寄せ鍋の番! 〜オタクの隠れ家レストラン

オサレな店には入りにくい。高い店には入りたくない。かといって松屋やファミレスはもういやだ。
──深刻なオタクの食糧事情(どこがだ)。
たまにはオタ同士、鍋料理で親睦を深めるのもいいでしょう。鍋なら、鍋のもとと具材さえあれば家事技能ゼロでも作れる上に、腹いっぱい食べられるのでオススメです。肉中心でも、クロックアップ(ベルト穴を1つゆるめる)→ハイパークロックアップ(人目も気にせずベルト全開に)まで食らって、1人当たり出費は800円足らずとコストパフォーマンスも高い。
周囲の視線を気にする必要はありません。みんなで鍋をつつきながら、好きなだけテンション上げてオタ話の花を咲かせてください。

オタの社交場 〜雀荘あるいはデュエルスペース

にわかボードゲーマーにとって場所の確保は切実な問題。ファミレスの店員から白い目で見られたことも一度や二度ではないでしょう。人数的に貸し会議室を借りるほどでもないし、カラオケボックスもなんだかんだで結構なお金がかかるし……。という訳で、オタ部屋がお役に立ちます。何より人の家ではないので、気を遣う必要がないのが大きい。ドイツゲー、MTGTRPG、麻雀──面子さえ揃えば好きなだけ遊んでいられます。
我がアジトも、最近の週末は「モンスターハンターポータブル2nd」の狩場として猛者(ハンター)どもが集まっています。上位飛龍強ええ。

人生オタク波止場 〜危険物件の取引場

世の中には、一人暮らしならともかく、パラサイトでは微妙に受け取りくにいオタグッズが存在します。まあぶっちゃけて言うとエロゲとか抱き枕とかですね。
ましてやアニオタであることが婚約破棄の理由とされてしまうような今日、職場に「ときメモオンライン」みたいな封筒が送られてきた日には、社会的地位を抹殺されかねません。
かといって私書箱や局留めもめどい……。そんなときも、やはりオタ部屋! 通販で買った危険なブツを迅速かつ安全に受け取ることができます。


いかがでしょうか。メリットを説いてきたつもりが、段々腰砕けになってきた気もしますが(後半、一人暮らししてりゃ同じだものね)。
我がアジトも1年足らずで本棚が埋まってきて、「実はソリューションというより、単なる先送りに過ぎないのではないか?」という疑問が頭をもたげつつあるのですが、当面の間は気付かないフリをしています。
しかし、部屋がいつしか学生時代に在籍していたオタサークルの部室そっくりになっているのは不思議なものです。冷蔵庫や電子レンジまで完備して、これでお茶を汲んでくれるメイド姿の未来人でもいてくれれば文句なしですが、まあ自分が女だったらこんなキモイ空間には一歩たりとも近寄りたくないでしょうなあ。

以上、オタライフハック(?)として役立てていただければ幸いです。

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